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コラム 当事務所の専門について

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当事務所の「専門」について

よくある質問-「先生のご専門は?」

ご紹介などで名刺交換をすると頻繁に聞かれる言葉-それは「先生のご専門は何ですか?」です。

確かに医者は内科、外科、眼科、皮膚科、から美容整形まで事業領域の細分化が進んでいます。また、弁護士でも知的財産権や医療過誤、労働事件、刑事事件などと専門化していることを全面に押し出す事務所もありますし、その傾向は時代とともに強まっている印象を受けます。

ですので、皆さんが専門領域を知りたいと思われることも十分理解できます。

弁護士の理想はオールマイティ

では当事務所の専門は何か、と問われれば、専門はない、敢えて言えば「訴訟」と「交渉」、というものになります。

なぜ、専門化が進む時代に当事務所が敢えて専門化しないのか。

弁護士は、相談にいらっしゃるあらゆる依頼者のために、最善の法的解決を提供するため努力していきます。相談によっては、当初想定していた問題とは異なった問題を解決しなければならないことが発覚することも往々にしてあります。

そして、この場合、当初想定されていた法ではない、他の法の活用を検討する必要が出てくることが大多数です。

例えば、借金の返済を求める方がその方の債務整理や破産を検討する方向へシフトすることもあれば、使用者側の労働事件が民事再生事件になることもあります。

そもそも知的財産権法や労働法、独占禁止法などのように法に刑事規制まで含まれていれば、刑事事件になり得ることまで念頭におかなければ十分な業務の提供ができません。

そして、新たに発覚した問題について専門ではないという理由で看過することは決してできません(近時学会でもようやくこのような問題意識が出てきました)。

つまり、依頼者のために最善を尽くすのであれば、弁護士は専門領域を超えたオールマイティであることが不可欠です。その準備のためには、過度の専門化は避けるべき、というのが当事務所の考えです。

なお、専門化した法律事務所であっても、実際には他の領域の案件を受任していることは少なくありません。また、近時医療においても総合診療が浸透しつつあることも過度の専門化の弊害へのアンチテーゼのように感じます。

では、なにに力を入れているか? 〜家族、職場、会社〜

もっとも、当事務所にも、事務所の理念 -日常(いま)を守り、未来を支える- を社会に反映させるため、力を入れている領域があります。

日常にせよ、未来にせよ、そこに生きるのは「ひと」であり、問題に直面するのもまた「ひと」です。当事務所は、日常を生き、未来を想う「ひと」を、法の活用により守っていくことを志向しています。

しかし「ひと」はひとりで生きていくことはできません。「ひと」が生きていくためには、ともに暮らすひと、ともに働くひとが不可欠なのです。

暮らすことと、働くこと-これらは家庭と職場という二つの団体において営まれています。

当事務所は、法を活用することで、家庭と職場・会社が日々円滑に活動し、ときにトラブルが発生した際にも正常な状況を回復することに力を注いでいます。

業務への取り組み方について

〜訴訟は(交渉も)格闘技〜

交渉も訴訟も「凶器を自由に使える格闘技」

弁護士業が他の法律職(司法書士、社労士、行政書士など)と異なっている点としては、事件の相手方と直接対峙する、という点があります。

しかもその対峙は、争いごとが前提である以上、当然友好的とは言い難く、むしろ殺伐としている、といって過言ではないでしょう。

また、対峙するためには相手方や裁判所を説得し尽くす必要があります。このため、違法・不当なものでない限りあらゆる証拠と事実を出し尽くして相手方や裁判所にぶつけなくてはなりません(「ぶつける」というのは感覚的な表現ですが、この言葉がもっとも適切に表現しているところです)。

このように、弁護士は訴訟・交渉を、事実や証拠という武器を手に(足に)して相手方やその代理人弁護士と格闘します。訴訟も交渉も「凶器を自由に使える格闘技」に他ありません。

技量は大切、素材はもっと大切 〜証拠と事実〜

このような格闘技である以上、弁護士は事実や証拠を十分に使えるだけの技量を整えなければなりません。日々の実務を通じた経験から最新の法理の研究、事件の解決方向の適切な判断、相手方や裁判所へのアピール方法の探求、社会一般へのアピールの方法など、要求される技量は広大かつ高度です。

しかし、見落としてはいけないことは、この技量を活かすためには証拠や事実が闘うに適したレベルでなくてはならないということです。いくら我々が強くても武器が弱ければ相手方と十分戦い抜き求める結果を出すことは不可能です。

いくら「勝ちたい!」と思っても、勝利に見合った証拠と事実が揃わなければ、つまり武器がなければ、弁護士の技量のみで達成することは不可能なのです。

見通しと「勝つ」意気込み

しかし、だからといって簡単に諦めていいものでもありません。武器の強さは相手方の手持ちの武器(事実・証拠)との相対関係で決まるので一概に強弱を判断することができないこともあります。当事務所でもまさかの勝利を収めた事案は数知れませんが、いずれも依頼者とともに執念深く追い詰めた結果でした。つまり客観的な武器(事実・証拠)の強さは不可欠ですが、勝つことへの意気込みもまた必須の要素なのです。

紛争解決とその先の未来へ

当事務所では以上のような想いのもと日々の業務に取り組んでいます。

もちろんすべての紛争が思い通りに解決できているわけではありません。

紛争は「凶器を自由に使える格闘技」である以上、相手方やその弁護士も相当の準備をしているのですから。

しかし、できるだけ納得のできる解決を提供することが、依頼者の未来を切り開きます。

そのために当事務所は日々の研鑽-日々の実務を通じた経験から最新の法理の研究、事件の解決方向の適切な判断、相手方や裁判所へのアピール方法の探求、社会一般へのアピールの方法など-を続けています。