弁護士になった当初、私は非常に困惑しました。私以上に経験豊富で能力が高い弁護士が数多いる中、私が弁護士として業務を提供することが社会的に意味があるとは、どうしても思えなかったのです。 弁護士として経験を重ねることが自信に繋がるかもしれないとも思いました。しかし、発展途上の私では能力的に不十分に過ぎ、依頼者から「青木先生のご意見はわかりましたが、ボスのご意見は如何なのですか」と指摘されることもありました。 その後独立をしましたが、だからといって直ぐに能力が上がるわけでもありません。依頼者も増えず、深夜明かりの消えた事務所で、自分の至らなさについて考え込む日々が続きました。
それでも私に事件の依頼をしてくれる方々が、決して多くはありませんが、いました。 案件一般としては小さいものもありました。 しかし、私は、どんな小さい案件でも委任された限りは一件一件勝利する、勝利が厳しい案件でも何かしらの利益を得ることを目標に取り組みました。 不出来な私にでも依頼しようと思う数少ない方々のために最大限力を尽くしたかったこと、また依頼者の信頼に勝利や納得という形で成果を挙げることができなければ自分が弁護士として存在する意味がないと思ったことからです。 こうして、私の中で、訴訟、交渉の一件一件を等閑にしないスタンスができました。そして、私のスタンスに共感していただいた皆さんから、現在大小様々な案件を年間100件以上ご依頼されるようになりました。
以上のように当事務所は、一件一件に全力を尽くし、それを多数の案件において実現する事務所となりました。 結果として、訴訟力、交渉力の高い事務所へ発展し、かつ、さらなる発展の途上にあります。 しかし、訴訟、交渉で達成する目標には変わりはありません。 すなわち、依頼していただく皆さんのために委任された限りは一件一件勝利する、勝利が厳しい案件でも何かしらの利益を得る、ということです。
このように当事務所は数多くの訴訟、交渉を経験してきました。 そこからも、確かに一件一件の案件における勝利や納得は重要だと思います。 しかし、訴訟や交渉の原因である紛争には、実は当座の勝利や納得では解決し難いものがあります。 個人ですと、例えば交通事故などで損害金を得ることができても、事故前の身体や、ともすれば命を元に戻すことは、残念ながら不可能です。 法人でも、例えば債権回収ができたとしても、訴訟・交渉の準備に掛けた時間や労力、ストレスが元に戻ることはありません。 悲しいことですが、結局、訴訟や交渉で勝っても、すべてを元に戻すことは不可能です。 しかし、少しでも通常の状況へご依頼者を回復させるためには、その事故・事件に関する訴訟・交渉を、ご依頼者と「共感」しながら進めて行かなければなりません。 つまり、勝つことは非常に重要ですが、その先を見据えて何をするべきかを、ご依頼者と共鳴しながら考え続けることが、弁護士の役割の一つであると考えるに至りました。
他方、訴訟や紛争を解決しても従前のように「元に戻す」ことができないのであれば、そもそも紛争や訴訟が起こらないように防止することが重要になってきます。 当事務所では、数多くのトラブル事例を解決している経験を生かして、紛争が起こらないような仕組み作りに注力しています。 法人向けであれば、何時でも法律相談ができ、かつ解決への道しるべを築く法律顧問業務は各顧問会社から好評を得ており、現在30社以上の企業と顧問契約を締結しています。 他方、個人についても、相続などで遺族に無用のトラブルが生じないような遺言書作成を行っており、こちらも好評を得ています。
このように、当事務所は、上述したように、強みである訴訟力・交渉力を生かして、紛争・訴訟の解決ないしは発生防止を図ることで、法がご依頼者を守るように仕向けることをミッションとしています。 そして、当事務所はこれを端的に「人に安らぎを 企業に潤いを」というヴィジョンに纏めています。 法により守られた先には、個人であれば生活に心配のない状態が訪れますし、企業であれば憂いなく事業に集中できます。 当事務所へのご依頼者の皆さんすべてが、このような状況に至ること、それにより日本社会における法による保護をより広げて行くこと、これが、設立者である青木の経験を前提とした、当事務所の究極の目的です。 平成28年5月24日
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